大津司郎ウェブサイト、アントールドフロントライン。アフリカの地平から世界を開く。

活動報告

2006年5月

3月と4月にウガンダ北部と南部スーダンで行った取材から、3本のルポタージュが完成した。5月には、フジテレビ(CX)平日夜のニュース番組「ニュースJAPAN」でそれらが放映された。

<1>タイトル:「ノアの箱舟」(5月4日オンエア)

ウガンダ北部でLRA(神の抵抗軍)ゲリラの襲撃を恐れ、毎晩被災民キャンプから、グルの町にある「ノアの箱舟」というNGOの運営する宿泊施設に泊まりに来る少年、パトリックの追跡取材。施設には最盛期1000人以上の少年少女が避難していた。取材時は600人ほどだった。夜8時頃施設に到着、他の子供たちと寝る。翌朝7時、再びキャンプに戻り、学校へ行く。しかし帰っても、満足な朝飯もない、パトリックの夢っていったい何なのだろう・・・。

<2>タイトル:「スーダン内戦から1年」(5月9日オンエア)

2005年の平和条約から1年弱、今南部スーダンはどうなっているのか?ナイル川沿いの中心地ジュバの町をベースに取材。北部ウガンダから、いまだにLRAゲリラが潜む危険地帯を陸路で南部スーダンに潜入、途中焼かれた村々を通過、地雷が多数埋められた場所では、国連PKO(UNMIS)部隊が地雷除去作業を行っていた。ナイル川を越え、ジュバの町に着くまでの約8時間、戦闘で破壊された20台以上のスーダン政府軍の戦車を見た。某日、ジュバの港からは偶然にもナイル川を船で故郷に帰るディンカ族の被災民に遭遇、船内に乗り込みレポート。船は朝日の中ボルを目指して下っていった。

<3>タイトル:「スーダン復興に中国の影」

今、スーダンを中心としたアフリカ諸国に中国の急激な進出が目立ち、問題となっている。今回、南部スーダン、マラカル周辺の石油施設取材を試みるも、資金不足で果たせず、ただし、エネルギー経済研究所他などの取材からこの問題(中国の石油資源獲得)の重要性、緊急性をレポート。さらに、平和条約後のちょっとした経済ブームに沸く、ジュバの町、ビジネスマンなどの姿を報告。

「オンエア後・録」

ニュース・ジャパンは約25分の番組だ、その中の6〜7分を使って3本のアフリカの話をオンエアしてくださった事は奇跡に近い。ただし、3本作らなければならないというのは、かなり大変なのも確かだ。”こうした類の”アフリカ企画がほとんど通らない中、オンエアしていただいたことにはとても感謝しています。折に触れこうした話題もやっていかないと益々日本の世界を”何も知らない”状態は進む一方だ。反面、たまに話す機会がある学生諸子からはモットこうした話=アフリカのフロントラインの話を知りたい、聞きたいという要望を聞く・・・。何とかしたいのだが・・・・。